<Storie & News>

危機的状況時における責任あるオーナーシップ

Genelecは、私たちが信じる価値観に基づいて毎日の自身の行動、そして意思決定を行っている企業です。

その価値観とは、信念、熱意、誠実さ、尊敬と正義。これらには、深い責任が伴います。私達は、上質なスピーカーを将来にわたり、フィンランドで作ることにこだわり続けるべきであると強く信じています。しかしその一方で、生き残り、さらなる発展をしていくためには、常に変化する世界に順応していかなければならないことも認識しています。

未来に対して誠実に(敬意を払いながら、正当に)向き合うことは、従業員、ひいては企業そのものが健康であり続けるために必要な行動を取ることを意味します。時にこうした行動は、長期的な利益のために短期的な利益を犠牲を払う必要がある場合もあり、そう簡単に実行へ移すことができないこともあります。しかしながら、こうした意思決定は、責任のあるオーナーが行わなければならないことだと信じています。


現在の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)におけるパンデミックのような危機において、私たちは「この状況を改善するために何をしているのか」と、常に自分自身に問いかけています。早い段階で私たちはすべての国外への渡航を停止し、可能な限りのリモートワークへと移行しました。私達は製造業であるため、すべての作業をリモートで行うことはできません。そのためいまもなお工場で働く従業員がいますが、感染のリスクを最小限に抑えるためにできることを徹底しています。

このような状況では、ビジネスよりも健康と人間としての生活が最も重要でなければなりません。ただし、多くの人々の生計はGenelecに依存しているという事実と、こうした重要な事項のバランスを取らなければなりません。

私達は「健康か、ビジネスか?」と、自問してはいけません。その代わりに「どのようにしてこの状況に適応すれば、従業員の健康と安全を確保しながら企業として存続させることができるのか?」ということを自問しなければなりません。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックにおける影響の全体像が見えてくるのは、数ヶ月先であることが明らかになりつつあります。残念なことですが、このパンデミックは最終的に恐ろしい数の人々を苦しめることになるでしょう。感染した人々から始まり、次にそのせいで大切な人を失ってしまった人々、そして最後には荒廃した経済によって影響を受ける人々まで。


しかし、すべての終わりは新たな始まりであり、あらゆる危機はまた、好機をもたらします。それはお金を稼ぐための機会ではなく、人間として学び、成長する機会です。私たちはこの機会に、より思いやりを持ち、より多くを与え、そしてより利他的にならなければなりません。私達は、いまこの危機の中で何をしているのかを注視し、何が新たな根源となるのか、人間として一番良い方法を確かめなければなりません。

ほんの3ヶ月前に行っていたすべてのことは、本当に必要なこと、もしくは価値のあることだったのでしょうか? この危機の中で、私達は自分自身を本当に感動させてくれるもの、私たちを奮い立たせるものを見つけることができるでしょうか? 私たちは、幸福を見つけ出すことができるでしょうか。そしてそれは、永久的な満足につながるものでしょうか?

このように考えると、スピーカーを造ることは非常に退屈で、ありふれたものに見えるかもしれません。

結局のところ、スピーカーは原材料と部品から製造され、さまざまな国やショップへ出荷され、最終的にスタジオや寝室、または設備として組み込まれる物理的な製品です。それでも、こうした「平凡な」製品が、いかに多くの喜びをもたらしたのかということを、私たちは何度もお客様からお聞きしています。それは製品自体ではなく、スピーカーがオーディオと音楽を現実のものとする手段だからです。


私達の使命は、サウンドをできるだけ忠実に再現することで、お客様の夢を叶える手助けをすることです。

グレン・グールドが演奏するバッハの『ゴールドベルグ変奏曲』、ジミ・ヘンドリックスの『見張塔からずっと』など、数え切れないほどの素晴らしいオーディオは、これからも永続的に残り続けます。オリジナルの録音を再現し、それらに対して忠実に聴けることは、枯渇することのない感情の源です。可能な限り忠実なオーディオ再生によって皆様が夢を実現し続けることは、Genelecのオーナーである私達の責任です。

 

ミッコ・マルティカイネンはGenelecの共同オーナーのひとりであり、エンタープライズ・アーキテクト(経営戦略とITを結びつけ、企業の未来を組み立てていく担い手)として働いています。