Genelec

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母国フィンランドの農場で生まれ育ったイルポは、農作物の栽培や収穫の苦労をよく知っていました。また、フィンランドの巨大な木材産業が、ビジネスを持続させるために常に森林を補充していることを目の当たりにしていました。さらにその森林は、大気中の二酸化炭素を吸収する働きがあるため、森林を維持することはビジネスだけではなく、環境にも優しいのです。イルポ自身も毎年、植林活動へ積極的に参加し、ホリスティック(註:身体だけではなく、精神や霊気まで包括的に健康であること)でサステナブルな企業経営への理解を深めていきました。

イルポは2013年、「どんなに技術が進歩しても人間は自然とその多様性に依存し、日常の糧として生きています」と語っていました。「自然のサイクルは、日々私達を取り囲んでいます。土を耕し、肥料をやり、水をやり、雑草をとってようやく収穫ができるのです。このような長期的な思考は、私達の会社の発展と切り離すことはできません」

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Genelecの共同創業者であるイルポ・マルティカイネンは、毎年の植樹プログラムへ積極的に参加

1978年当時、オーディオ業界における環境問題への一般的な意識は、現在のレベルには達成していませんでした。しかしGenelecでは、「スピーカーの品質が優先されるが故のサステナブルな開発という考えは、当初からありました」とトッピ・パルタネンは付け加えています。フィンランドの放送局であるYLEは、この点でインスピレーションを与えてくれました。私達の最初のスピーカーとなったS30に関する彼らの厳しい技術概要には、完全な信頼性と簡単な保守性、そしてスペア・パーツのサポートへの取り組みが要求されていたのです。これらは即座に当社の設計の基礎となったのです。

初期のアンプの設計について研究するイルポ・マルティカイネン

フィンランドのイーサルミに工場を構えたことも、重要な決断でした。「最初にフィンランドの北サヴォニア地域に会社を設立したことは、サステナブルな開発のための結果でした。イルポはその10年前からヘルシンキ周辺に住んでいましたが、故郷で事業を興し税金を収めたいと考えていました」と、Genelecの創業者であり、最初の財務責任者でもあった会長のリトヴァ・レイノネンが付け加えます。「長期的な夢というか、アイデアの自然な流れがあったのです。私達がイーサルミを選んだのは、のどかな田園風景が長く深い思考を生み出すのに役立つとイルポが考えたからです」

私達のサステナブルな開発は、エネルギー効率のあらゆる側面を慎重に検討する必要があった1985年の新工場の建設によって加速し、ISO 9001とISO 14001の規格の採用によりさらに大きな飛躍を遂げました。会社の戦略的な取り組みとして、サステナビリティは健全な品質や収益性と同じくらい重要であるべきなのです。

このサステナブルな開発への取り組みが、私達のすべての講堂の現力となっています。その重要性は、トッピ・パルタネンの言葉に集約されています。

Topi Partanen Genelecの共同経営者であるトッピ・パルタネンは、サステナビリティの重要性を十分に理解する
「いま、お客様の環境意識は高まり続けており、これを無視したビジネスは招待的に成り立たないというのが現実です。現在の若い世代が年をとっても、その価値観を持ち続けることを前提に、サステナビリティはこれからもますます重要になっていきます」

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