Ilmatar Windpower Smart IPIlmatar

Ilmatar Windpower

Ilmatarは2021年にヘルシンキにある壮大な新社屋に移転しました。 この本社は、最適な効率性と快適性を実現することを目的に、持続可能な手法を取り入れて設計されております。AVソリューションにおいては、そのエキスパートである 4Business Oyが、GenelecのSmart IPスピーカーの導入など、新社屋のためのすべてのAVテクノロジーの設計と実装を担当しました。

音響の観点から取り組むべき重要の課題の一つは、現代的で活動的なオフィスには欠かせないIlmatar社屋内のオープン・ワークスペースにおける聴覚的快適性でした。オープン・ワークスペースにおける固有な問題として、プライバシーの欠如と、他の環境からの騒音問題があります。Ilmatarは、このエリアを可能な限り快適で効率的な作業環境を作り上げることを決意し、オープン・スペースにおける音に細心の注意を払いました。

4BusinessのJanne Lankinen氏は、こう述べています。 「ロビーやオープン・ワークエリア、会議室やオフィスは、音響の観点から非常によく設計されており、優れた残響時間を実現しています。机と机の間には吸音スクリーンが設置され、換気によるバックグラウンド・ノイズも最小限に抑えられています。これらの対策はかなり有効ですが、問題を完全に解決することはできません。私たちは最良の結果を得るために、高品質のオーディオ・ソリューションの選定をはじめ、Ilmatarの要件に合わせたカスタムサウンド・マスキングシステムを設計・導入しました。」

4Business社は、詳細な予測分布のシミュレーションに基づき、包括的にコントロール可能なGenelecのSmart IPスピーカーを導入しました。2つの独立したオープン・スペースに合計20台の4420 Smart IPスピーカーが配置されました。
「GenelecのSmart IPは、音質面でも素材面でもクライアントが求めるすべての条件を満たしており、かつ最も持続可能なオーディオ・ソリューションであるため、このソリューションを選定しました」と Lankinen氏は説明します。

Smart IPテクノロジー・プラットフォームは、電源、音声信号、コントロールをデジタルオーディオネットワーク(この場合はDante)を介して1本のCATケーブルで提供します。そのため、設置が非常に簡単で、システムの拡張性も確保されています。

「エリア全体のラウドスピーカー・システムは、室内音響分析ソフトウェアで個別に測定され、GenelecのSmart IP マネージャー・ソフトウェアによって調整、透明性の高いオーディオ再生が可能になりました」とランキネン氏は続けます。「技術的な基準はもちろんのこと、Genelecがフィンランドのブランドであり、持続可能な原則に従ってフィンランド国内で製造されているという事実も、Ilmatarにとって非常に重要でした。」

マスキング信号自体の実装は、世界的なインフラストラクチャーのエキスパートである WSPのサウンドデザイナー兼作曲家、Pyry Survo氏に任されました。 Survo 氏は、可能な限り信号を快適かつ均一になるようにデザインしました。空気の自然な流れを模倣し、人が発する会話の周波数に適合して快適に聞こえるよう特別に工夫されたアンビエント・バックグラウンド・サウンドとなります。 この音は人に聞こえるが邪魔にならず、周囲の環境における会話の明瞭度を低下させる役割を果たし、周囲の会話や電話の音が気にならず、快適なプライバシーを確保できます。

「高品質のサウンドシステムと入念な空間測定により、低品質のスピーカーや誤った種類のオーディオ信号で問題となるノイズは発生しません。マスキングシステムは、モノラルサウンドのマスキングシステムでよくみられる各スピーカー間の距離差によって発生する音の歪みを回避するため、マルチチャンネルのサウンドを生成します。」

Ilmatar社にはサウンド・マスキングに加えて、もう一つの目的がありました。 それは、「自然を保護するために自然と共に働く」という企業理念を反映したユニークな雰囲気を作り出すことでした。

波の音、カモメの声、そしてもちろん風の音など海の自然環境を模したサウンドが自然界のメカニズムや時間軸を模倣したアルゴリズムによりバーチャルな自然を作り出しています。サウンドスケープは可能な限り本物に感じさせられるため、プレイリストのような単純な繰り返しを回避するようにしています。 この有機的なサウンドスケープは、WSPマルチチャンネル・サウンドスケープ・プレーヤーとGenelec 4430A Smart IP スピーカー8台を使用してエントランスロビーに作り上げられました。 また、カフェエリアには4台のGenelec 4430A Smart IP スピーカー(ホワイト)が設置され、癒しの森のサウンドスケープが創り出されています。

Ilmatar Windpower Oyの副社長で共同設立者のMikko Toivanen氏は、その結果に満足しています。 「私たちの目標は、社員にとってフィンランドで最高のオフィスを作ることでした。快適さと使いやすさの面で、新しい革新的な技術をフルに活用することが大きな目標でした。4Business社のコンサルティングと技術的な専門知識により、この目標を達成することができ、素晴らしい結果を得ることができました。私たちはその結果に非常に満足しており、フィンランドで最も快適なオフィスを手に入れたと信じています。」