400GenelecWorld of Wine

World of Wine」(WOW)WOWGenelec

施設全体には400台以上のGenelecスピーカーが設置されています。来場者は、ポルトガルの様々な文化史ついて、インタラクティブな体験を通して楽しみながら学ぶことができます。会場全体の設備設計は、Genelec販売代理店として包括的なAVソリューションを専門に取り扱うポルトガルのGarrett Audiovisuais社が担当し、キット・リストはGenelecスピーカーの幅広いラインナップを中心に構成されました。美術館のほぼすべての展示のクリエイティブを担当したGema Digital社と協力し、物語、マルチメディア制作、設備の設置、運用、保守など、構想からプロジェクト全体の管理までがGarrett Audiovisuaisのチームによって遂行されました。Gema Digitalは、イベント、ブランディング、美術館での先進的な没入型インタラクティブ体験の開発に特化し、これまで世界14カ国で2000以上のプロジェクトを手がけてきた企業です。WOWで体験できる魅力的な展示物では、サウンドが重要な役割を担っています。

この非常に大規模なプロジェクトには、400台以上のGenelecスピーカーが使用されています。

Porto’s new cultural district features over 400 Genelec loudspeakers.


「各スペースは全く異なる環境を再現しているため、そのダイナミックな変化をサウンド・デザインに反映させる必要がありました」Gema DigitalのFrancisco Brandão氏はこのように述べ、没入感を高める要素としてサウンドが非常に重要であり、空間の雰囲気に音が直接影響することを強調しています。WOWの中を歩くと、その環境に合わせて特別にデザインされたサウンドスケープを聴く事ができ、これによって来場者は各エリアでの体験に没入することができます。

施設内には、7種類のミュージアム体験に加え、多数のレストラン、バー、ショップが収容されています。Gema Digitalは、4つの展示物(The Wine Experience、Planet Cork、Porto Region Across the Ages、The Chocolate Story)の設計・開発を行いました。4000シリーズの全モデルを含む、9種類のGenelecスピーカーがプロジェクト全体で使用されています。Genelecスピーカーが選ばれた主な理由は、優れたディテールと明瞭なサウンドが展示物での運用に最適だからです。例えば、「Porto Region Across the Ages」と「The Wine Experience」の客席に設置された7.1サラウンド・システムは、Genelecスピーカーのみで構成されています。

スタジオ品質のサウンドに柔軟性と信頼性を兼ね備えるGenelecを選択したのは当然と言えます。

Porto’s new cultural district features over 400 Genelec loudspeakers.


Garrett Audiovisuaisのセールス・ディレクター、Raul Fernandes氏は、Genelecスピーカーを採用した経緯について詳しく説明しています。「Gema Digitalから最初に明言されたことは、様々な空間や用途に適応し、かつ目立たずに設置できるスピーカーが必要だということでした。クリスタルのようにクリアなサウンドはGenelecスピーカー共通の特徴と言えますが、各空間に最適なスピーカーはそれぞれ異なります。そのため、埋め込み型スピーカー4000シリーズを組み合わせて設置することにしました。Genelecスピーカーは室内音響を簡単に補正できるため、古い建物や反響しやすい空間での音響問題を解決することができるのが利点です」

また、スピーカーを各空間の内装に調和させることも重要なポイントでした。設置されたスピーカーの多くを占めていたのは、繊細なサウンドと実用性の高さが特徴の天井埋め込み型スピーカーAIC25です。Gema Digitalは、施設内に192台のAIC25を設置しました。各AIC25は、外付けのRAM2アンプ・モジュールで増幅されます。RAM2ではスピーカーの周波数特性も調整できるため、AIC25を外観的にも音響的にも周囲の環境に馴染ませることができます。

Porto’s new cultural district features over 400 Genelec loudspeakers.


より大型のスピーカーの場合は、音質を犠牲にすることなく隠れるように設置するための工夫が必要でした。Brandão氏は振り返ります。「“Porto Region Across the Ages”内の“The Civil War”のセクションでは、壁埋め込み型アクティブ・サブウーファー5041Aを煙突部分に隠して設置することにしました。また“The Chocolate Story”のジャングルでは、周囲に動物が隠れているような雰囲気を演出するため、スピーカーを植物の茂みの後ろに配置しています。こうして実際のジャングルに生息する野生動物を再現し、リアルな没入感が感じられるような工夫をしました」

WOWは、美術館や博物館において展示物のインタラクティブ性や没入感を高めるためにAVテクノロジーを活用した素晴らしい事例と言えるでしょう。

Porto’s new cultural district features over 400 Genelec loudspeakers.