Tokyo Festival of Modular - S360

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ここ数年の社会情勢の中にあって、しばらく開催を見送っていたTFoMですが、今年はおよそ2年半ぶりに渋谷のクラブ、Contactにて開催。久しぶりの開催となった今年は、オープン直後から来場者が訪れ、会場内の各エリアは例年以上の熱気に包まれていました。複数あった会場をひとつとした今年の開催ですが、会場内は3つのエリアに分割。うち2つのエリアでは、数十組に及ぶ国内アーティストによるモジュラーシンセを使用したライヴ・パフォーマンスを大音量で展開。もう1つのエリアでは、国内モジュラーメーカーによる出展とレクチャーが開催され、来場者は久しぶりに再会する友人達と共に各エリアで鳴り響く多種多様なモジュラーシンセのサウンドに酔いしれました。

Tokyo Festival of Modular - S360でモジュラーシンセのアナログサウンドに酔いしれる

リアルでの開催ができなかったこの2年半の間も、TFoMはさまざまな試行錯誤を繰り返しました。2020年は、海外のメーカーやアーティストへのインタビューなどを行ったオンライン・イベントを開催。翌2021年は諸般の事情により開催そのものが延期となってしまいましたが、ついに今年2022年、待望の開催へと至りました。例年、秋に開催されてきたTFoMですが、今年はパンデミックの状況を始め様々な事情から、いつもよりも半年前倒しとなる春での開催を決定したとのことです。

TFoMは、主催者のひとりが英国人ということもあり、2019年までは海外のスポンサー、アーティストとのインターナショナルな交流や、橋渡しも大きな特徴のひとつとなっていました。久しぶりの開催となる今年は、「まずはひとつずつ、できることからTFoMとしての再開を目指した」と主催者であるHATAKEN氏は振り返ります。

HATAKEN 「TFoMは、世界中の最新のモジュラーシンセサイザーを紹介する展示と、国内外からエレクトロニック・ミュージシャンを招聘しライヴ・パフォーマンスを披露するコンサートにより、モジュラーシンセサイザーの魅力と可能性を追求し、日本のエレクトロ・ミュージックシーンの活性化を目指しています。今年の開催では昨今の様々な社会情勢もあり、まだまだ本来のTFoMらしい形までには至りませんでしたが、国内スポンサー、アーティストを中心にモジュラーシンセサイザーに関心を持つファンが多く集まり、独特の和気藹々とした雰囲気が生まれて……。コロナ以前に開催していた頃と同様の雰囲気を久しぶりに感じることができて嬉しかったです」

Tokyo Festival of Modular - S360でモジュラーシンセのアナログサウンドに酔いしれる

会場内で最も熱気を帯びていたのは、レクチャーブース。来場者がステージの周りを取り囲むかたちで配置されたこのレクチャーブースでは、Genelecのなかでも高いSPLを出力できるS360が使用されました。150名のキャパとなる出展エリアとしての機能も兼ね備えたこの広いエリアでも、S360は音質と解像度を損なうことなく、アグレッシヴなサウンドキャラクターを持つモジュラーシンセのサウンドを会場内へと響き渡らせました。

HATAKEN 「毎年好評を得ているレクチャーブースですが、今年は会場内の別エリアで開催されていたライヴと同時進行だったため、例年使用しているものより高いSPLが必要になると考え、GenelecのS360を使用しました。S360はプレゼンターが使用するモジュラーシンセの幅広いダイナミクスを正確に表現し、アナログならではの図太いサウンドと音の抜けをしっかりと再現してくれていました。このサウンドからも、世界中のアーティストやエンジニアがGenelecのサウンドに信頼を寄せている理由がよく分かりました。スタジオ・モニターのニュートラルなサウンドで、来場者はよりモジュラーシンセ本来の魅力をご体感いただけたと思います」 

Tokyo Festival of Modular - S360でモジュラーシンセのアナログサウンドに酔いしれる

今回のTFoMは、このレクチャーブースを筆頭にサウンド面でも大きな成功を収めたと主催者のHATAKEN氏は振り返ります。この成功の背景には、やはりスタジオ・モニターしてのGenelecのサウンドがあったと、確かな手応えを感じているようです。

TFoMは次回2023年の開催で、いよいよ10周年という大きな節目を迎えます。サウンドの面でもコンテンツの面でも、さらにパワーアップした開催にいまから期待が高まります。


Tokyo Festival of Modular

最新のモジュラーシンセサイザーとその魅力、可能性を紹介し、日本のエレクトロ・ミュージック・シーンの活性化を目指す。初心者からベテランまで、モジュラーシンセサイザー・ファンの交流の場を様々に演出し、企画。国内、国外のエレクトロニックミュージシャンのモジュラーシンセサイザーの演奏を紹介、発信しており、シンセサイザー・メーカー、ハードウェア・メーカー、代理店、販売店などのスポンサーの協賛企業とユーザーとのプロモートにおけるより効果的な機会を設けることなどをコンセプトとしている。
また、イベント『Tokyo Festival of Modular』『Cafe Deluxe』『Workshop of Modular』などを主催するほか、海外スポンサー紹介および商談アレンジ、アーティスト紹介/ブッキング/アレンジ、モジュラーシンセ情報サイト『Modular Synthesizer Club』、モジュラーシンセサイザー・レコードレーベル『PURE』を運営する。

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