G One

GenelecG One

G One

―― 今回、ナナヲさんにはGenelecの『G One』を使っていただきました。まずは率直な感想から聞かせてください。

ナナヲアカリ 「歓喜」ですね。もう全然違います。『G One』で改めて曲を聴いてみたら、ギターとかも全然別の音に聴こえてきて、いまでは「ヤバっ! もうこれでしか聴かん!」という感じ。やっぱり音楽はスピーカーで聴くべきやなと思いました。

いままではBluetoothのランタンスピーカーなどは使っていたのですが、しっかりしたスピーカーで音楽を聴くのは恥ずかしながら、レコーディングスタジオでミックスするときくらいでした。だから『G One』をオンラインのミックスチェック用にも使いたいですし、最近練習しているDJ用にも使いたいですし、置き場所をどっちにしようか困ってます(笑)。

ナナヲアカリ

―― Genelecの存在については前から知っていました?

ナナヲアカリ はい。インディーズの頃からお世話になっているエンジニアの青木礼門さんがスタジオに大きなGenelecのスピーカーをいつも持ち込んでいたのでサウンドも知っていました。『G One』は小さいサイズだったので「どんな音なんだろう?」と思っていたんですけど、小さくてもパワフルでめっちゃよくて驚きました。

―― 普段はイヤホンで音楽を聴くことも多いですか?

ナナヲアカリ そうですね。移動中や隙間時間はもっぱらイヤホン。自分の音楽を聴いてくれるリスナーもイヤホンで聴く子たちが割と大半だと思うんです。だからミックスチェックの際も大きいGenelecのスピーカーで聴きつつ、最後はイヤホンで聴く作業もしますね。

『G One』で聴くと、低音域がしっかり出ている曲では重厚なサウンドが楽しめるし、逆にローを削って上物を大事にしている楽曲はギターのチャキチャキした音がクリアに楽しめるんです。だから、作り手が音に込めた意図が伝わるスピーカーですし、自分がミックスチェックしているときに聴いている、本来届けたかった音が伝わる気がしますね。

もちろんお気に入りのイヤホンやヘッドホンで聴いている人もたくさんいると思うんですけど、より音楽生活を豊かにしたい人に『G One』をオススメしたいです。

ナナヲアカリ

―― また『G One』はスタイリッシュな北欧デザインも特徴ですが、質感などはいかがですか?

ナナヲアカリ 箱を開けた瞬間に驚きました。いい感じのユーズド感があるRAWフィニッシュがオシャレで可愛いです。実は一番好きな色がシルバーなのでなおさらときめきました。

昔は私服や衣装などは黒しか着ていなかったんですけど、それとシルバーアクセサリーの相性がいいので好きになったんです。あとゴールドが壊滅的に似合わないというのも理由としてありますね(笑)。いまでは部屋にも銀色の家具を置くくらい好きです。

―― 『G One』のエンクロージャー(筐体)はリサイクルアルミを採用し環境にも配慮しているんですよ。

ナナヲアカリ リサイクルアルミとは、素晴らしいですね。私自身は特に意識が高いというほどではないのですが、どちらを選ぶかといえば環境に優しい方がいいなと思います。色も形も可愛い、環境にも優しい、そして音がしっかりしているのは凄すぎます。

G One

―― ベストアルバム『フライングベスト2』のリリースから少し経ちましたが、改めてどういう作品になりましたか。

ナナヲアカリ 完成したときは「できたぞ!」という達成感が強かったです。いまは色々な人の声を聞いたり、自分でもゆっくり聴いてみたりして、改めていい盤ができたなと感じていますね。1分41秒くらいの短い曲「POI POI POI」がMVも含めて好評なのは意外な発見でした。

Disc2はいままでのタイアップソングが収録されていてキャッチーなんですけど、Disc1は内省的でコアなナナヲを感じられる内容なので、その二面性や幅の広さが伝れば嬉しいです。

―― 本作を『G One』で聴くなら、どの曲がオススメですか?

ナナヲアカリ 真っ先に「ギミギミ聖域」を聴いてほしいですね。実は色々な音が混ざった重厚なサウンドなので、「こんな音が入っていたんや!」という気付きが多いはず。

アレンジャー・堀江晶太さんが遊び心でサビの裏に陽気なクワイアの声を入れているんですよ。何か声の成分が入っているな、とは感じましたがパラデータで聴かせてもらうまでは誰も気付きませんでした(笑)。耳をすませて聴いてほしいです。

ナナヲアカリ

―― ちなみに収録曲のなかで特に思い入れのある曲は?

ナナヲアカリ 「Flying」かな。作詞・作曲・編曲を担当してくれた、じんさんの楽曲が中学校時代から大好きだったんですよ。中二心をくすぐる音楽で救われたなと思う作家さん。その人と初めてコラボさせてもらえた大事な曲。当時の自分が知ったら横転するくらいの事件ですよ。

じんさんとは制作前、うじうじしていた音楽を始める前のナナヲのことや、音楽を作り始めてからのことや未来のことなど色々と話させてもらって、それを楽曲に落とし込んでくれました。

歌詞とメロがいい曲なので、そこにフォーカスしてしまうかもしれませんが、シンプルゆえに各楽器のフレーズに仕組まれた印象的なフックが『G One』だと、より聴こえてくるはず。

―― 自分以外のアーティストの作品を『G One』で聴くとしたら?

ナナヲアカリ このスピーカーでみんなに聴いてほしいアルバムを見つけてしまったんですよ。それがレディー・ガガ『MAYHEM』に収録されている「Abracadabra」。アルバム自体が大好きでよく聴いていたのですが、イヤホンとは鳴り方が別物でビビるくらいよかったです(笑)。

レディー・ガガ自体は中学生のときに「Born This Way」が流行り、周りの子たちが聴いて いたので、私も新譜が出たらとりあえず聴くくらいの感じでした。でも最新作はたまたま聴いたらカッコよすぎて、自分のなかではいまが一番「ガガ様!」という気持ちになってます。

―― ナナヲさんのルーツであるボカロ楽曲やアニソンのなかで、『G One』で聴いてみたい曲も教えてください。

ナナヲアカリ ボカロにハマるきっかけになったNeruさんの「東京テディベア」、アニソンだったらAimerさんの「六等星の夜」を聴きたいですね。Aimerさんの声をこのスピーカーで聴いたらすごそう。

あとは最近DJを練習している中、かけたい曲を探していたときに「天天天国地獄国」(Aiobahn +81 feat. ななひら & P丸様。)を『G One』で聴いたらすごくカッコよくて。このスピーカーで気持ちよく聴ける曲をプレイリストにする作業もしたいと思ってます。

ナナヲアカリ


普段の音楽の聴き方や『G One』で聴いてみたい音楽、そしてツアー情報までを語ったナナヲアカリ氏のフルインタビューは、音楽カテゴリー、映画カテゴリー、テックカテゴリー、ブックカテゴリーで構成される、総合カルチャーサイトのリアルサウンドテックでご覧頂けます。


ナナヲアカリ

プロフィール 2016年にニコニコ動画を中心にアーティスト活動を開始。様々なボカロPと組んだ自主制作アルバムを数々とリリース。ボカロPのナユタン星人やイラストレーターの寺田てらとタッグを組み発表された「ダダダダ天使」がニコニコ動画やYouTubeで話題となり累計5,000万回再生を突破。その後、数々の楽曲をリリースし、「チューリングラブ feat.Sou」のMV再生回数は1億回を超える。現在、YouTube登録者数は94万人を超えて、多くのカバーやネットミームを生んでいる。中毒的でファニーなハイトーンボイスとディスコミュニケーション気味なキャラクターが世代のアイコンとして愛されているインターネットアーティスト。2025年2月にリリースしたSg「明日の私に幸あれ」はTikTokを中心にSNSでも話題となり、MVは1600万回再生を突破。2025年はメジャーデビュー7周年を迎え、8月にはベストアルバム「フライングベスト2」を発売。ライブでは、対バンツアーやLINE CUBE SHIBUYAを含むワンマンツアーなど様々な活動を企画している。

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