Genelec Smart IP

カルロス・ロドガーマン
69Genelec Smart IPOur Wondrous Planet

Our Wondrous Planet

オーストラリア南東部にある国内最大規模の公共博物館運営機構「ミュージアムズ・ビクトリア」。年間200万人以上の来場者を迎え、ビクトリア州を取り巻く環境や文化の過去・現在・未来を紹介しています。ミュージアム・ビクトリアが運営する5つの主要な施設のひとつであるメルボルン博物館は、地球に生きる生命の素晴らしさを体験できる場として知られています。画期的なイマーシブ企画展「Our Wondrous Planet」では、来館者は博物館の膨大なコレクションから厳選された800以上の動物たちが生息するリアルな生態系の中に入り込み、40億年にわたる生命の歴史をたどることができます。会場では壮大な照明演出やプロジェクションマッピングに加え、Genelec Smart IPスピーカーシステムによる多層的なイマーシブ・サウンドスケープが融合した、体験型インタラクティブ・コンテンツが来場者を迎えます。

 

「Our Wondrous Planet」は、メルボルン博物館の創立依頼最大規模となるギャラリー改修プロジェクトとして計画され、新しい没入型体験への大きな期待を集めました。メルボルン博物館のテクニカル・プロジェクト・マネージャー兼システム・デザイナーを務めるマイク・ミラー氏は、このプロジェクトを振り返り次のように述べています。「この展示は当初から明確な方向性を持って進められてきました。私たちマルチメディア・チームも、インタラクティブな展示が検討され始めた初期の段階から本プロジェクトに参加していました。当初の計画では、イマーシブ・オーディオシステムを含むマルチメディア設備を備えた、7つの新しいギャラリー空間を構築することが予定されていました」

メルボルン博物館

この展示では、海流、根系、サンゴ礁、熱帯雨林の樹冠、そしてそこに生息する生き物たちを通して、地球の生態系のつながりを体験できます。展示の音響システム要件についてミラー氏は次のように述べています。「没入感のあるサウンドスケープを実現しながら、各ゾーン間で音が漏れることなく、それぞれの生態系をリアルに表現するサウンドシステムが必要でした。特に難しかったのは、ギャラリー中央に設置された大型プロジェクション・スクリーンです。吹き抜けの通路の上に吊り下げられており、音が下のフロアに漏れてしまうという問題がありました。周囲の空間に音が過度に干渉せず、同時に明瞭で広がりのあるサウンドスケープを各ゾーンで再現できるソリューションが必要でした」

 

メルボルン博物館では、これまでも多くの展示作品でGenelecスピーカーが導入されており、イマーシブ環境の構築に貢献しています。本展示でGenelecスピーカーを導入した経緯についてミラー氏は次のように述べています。「今回のプロジェクトはこれまで以上に高度な技術が求められました。音質と機能性に優れたGenelecスピーカーを過去の展示でも数多く採用し、、重要な役割を担ってきました。そのため今回も迷わず第一候補に挙げられましたね」。

音響システムの設置はオーストラリアのAV専門企業Lumicomが担当。システム設計は博物館のマルチメディアチームとミュージシャン兼サウンドデザイナーのデュオFuligin Soundのコラボレーションによって進められました。Genelec Smart IPシリーズを導入した理由について、ミラー氏は次のように述べています。「博物館に設置済みのDanteネットワークを効率的に利用できるPoE(Power over Ethernet)ソリューションとして、Genelec Smart IPシリーズを選びました。合計69台のSmart IPスピーカーが会場全体に配置されています」。

Genelec

メルボルン博物館

各生態系のリアルな環境音を再現するため、コンパクトな4430が41台、天井埋め込み型の4435が7台、ペンダント型の4436が3台導入されています。また、より細かな音を再現し没入感を高めるため、小型の4410が18台、各所に配置されています。随所に工夫を施したスピーカー配置についてミラー氏は次のように説明しています。「企画内の特定のインタラクティブな要素や動物から実際に音が鳴っているように感じさせることを目指しました。そのため4410を各所に設置し、エリア間での音漏れを避けながら目立たない位置に配置しています。そのうちの2台はタコの内部にも設置されているんです」。

来館者がどの位置にいてもしっかりと没入感が得られるよう、大型の4430スピーカーが吹き抜け上部と1階の通路沿いに配置されています。Genelecスピーカーはより繊細な音表現が必要とされるイマーシブ・サウンド・システムに使用されています。下階のギャラリーへの音漏れを防ぎ、各ゾーンで適切な音の定位を実現するため、11チャンネルのオーディオをDolby Atmosでミックスし、各スピーカーとイマーシブ要素を同期させています。

スピーカー構成が複雑になるため、各ゾーンの音量調整やミュート、ミキシングを行うための一元的なコントロールポイントが必要でした。システム全体の制御についてミラー氏は次のように述べています。「全体のコントロール・システムとして、Nodelを採用しました。Nodelはミュージアムズ・ビクトリアとAutomaticが共同開発した、ギャラリーシステムをコントロールするためのオープンソース・プラットフォームです。各ゾーンのサウンドはBiamp TesiraFORTÉ DAN AiプロセッサーでDSP処理され、博物館のDanteネットワーク経由でそれぞれのスピーカーに送信されます。これにより、異なるスピーカーモデルを統合してミキシングできるほか、隣接するゾーン間の音漏れを防ぎながら、展示空間全体で一貫したサウンドを実現することができました。

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メルボルン博物館

PoE対応スピーカーを導入した経緯についてミラー氏は次のように述べています。「この施設はこれまで企画展を定期的に開催してきたこともあり、ネットワーク接続用ポートが各所に設置されています。既存のインフラを利用できたこと、そしてケーブル1本で動作するPoE対応スピーカーを採用したことで、設置期間を大幅に短縮することができました。Smart IP マネージャーは、各スピーカーの識別やセットアップだけでなく、運用時のシステム管理にも大いに役立ちました」。

音響システムに加え、会場の複雑な映像演出はEpson製LCDプロジェクターとSamsung製ビデオスクリーンが担っており、HPE Arubaのネットワーク・スイッチと、カスタム設計のラックマウントPCおよびNUCsが舞台裏で稼働しています。「インタラクティブ・コンテンツのタイミングや音量制御にはShow Cue Systemを採用しました」とミラー氏は述べています。「大規模なプロジェクション・マッピングはDataton Watchout 7メディアサーバーで管理し、その他のコンテンツはBrightSignメディアプレイヤーで再生しています」。

 

来館者は、周囲の環境から実際に音が発せられているかのように緻密に構築されたサウンドスケープに包まれながら、さまざまな動物や生態系について学ぶことができます。Genelec製品の優位性についてミラー氏は次のように述べています。「Genelec製品は優れた音質と実用的な機能を見事に兼ね備えており、今回のような複雑なプロジェクトでも、従来より遥かに効率的に設置作業が行えました」。

「おかげさまで「Our Wondrous Planet」は、メルボルン博物館で最も人気のある展示のひとつとして評価されています。Genelecのイマーシブ・システムによって、本当に自然の中にいるかのようなリアルな体験を作り出すことができ、私たちもとても満足しています。Genelecスピーカーの緻密で正確なサウンドが、この実現に不可欠だったと確信しています」

メルボルン博物館


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